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C)水洗トイレの有無による分類

10歳時の水洗トイレの有無による感染率の違いを検討した。水洗トイレ非使用者のH.pylori陽性者は21人中4人(19.0%)であり、使用者の陽性率164人中79人(32.2%)より有意に高かった(P=0.009)。C.pneumoniae陽性率は両者の間で有意差を認めなかった(40.2%対47.6%)。

函館地区、浦和市、紀和町における水洗トイレ保有率はそれぞれ7.5%、20.3%、2.7%と有意差を認め(p<0.01)、浦和市は函館地区、紀和町と比較し高値を示した(p=0.022,P=O.007)。

 

D)居住環境(Housing Index=居住人数÷部屋数)による検討

判歳時のHousing Indexを検討した。H.pylori陽性者(1.58)は陰性者(1.27)に比較し有意に高値を示した(P=001)。しかし、3地区間では有意差を認めなかった。またC.pneumoniae陽性者(1.40)と陰性者(1.43)では有意差を認めなかった。函館地区、浦和市、紀和町における地区別のHousing Indexは、それぞれ1.45、1.44、1.29であり有意差を認めなかった。

 

E)内摂取状況による検討

H.pylori陽性者(83人)の1週間の肉平均摂取日は3.2日で陰性者(102人)3.5日であり、両者に有意な関連を認めなかった。C.pneumoniae犯陽性者(76人)の1週間の肉平均摂取日は3.3日で陰性者(109人)3.4日であり、両者に有意な関連を認めなかった。

各地区における1週間の肉平均摂取日は函館地区3.5日、浦和市3.l日、紀和町3.5日であり、両者に有意差を認めなかった。

 

F)海産物摂取による検討

H.pylori陽性者の1週間の肉平均摂取日は3.8日で陰性者3.7日であり、両者に有意差を認めなかった。C.pneumoniae陽性者の1週間の肉平均摂取日は3.7日で陰性者3.7日であり、両者に有意を関連を認めなかった。

各地区における1週間の海産物摂取日ほ平均は函館地区3.27日、浦和市3.98日、紀和町4.18日で有意差を認め(p=0.006)、函館地区が他の地区に比較し有意に少なかった。

 

W.考察

 

動脈硬化性疾患、特に虚血性心疾患の発症には、糖尿病、高脂血症、高血圧、喫煙など多くの危険因子が関与している。最近、幼少時からの慢性細菌感染症

 

 

 

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