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3.X線の出力を低められるので、高電圧発生装置の寿命を長くする。

4.X線の出力を低められるので、X線管球の寿命を長くする。

5.短時間撮影ができ、動きによる不鋭を低減できる。

等があり、増感紙の種類には

1.レギュラー

(1)青色の光を発するもので、レギュラータイプのフィルムと組み合わせて使用する。

(2)昔は主流だったが、画質や感度などでオルソタイプの方が格段に優れており、使われる割合は下がってきている。メーカーでも、現在は開発にあまり力を入れていないようである。

(3)このタイプのフィルムは、銀を大量に必要とするという欠点も持っている。

2.オルソ

(1)緑色の蛍光を発する、希土類元素を蛍光体に用いた増感紙で、オルソタイプという緑色に感度を持つフィルムと組み合わせて使用する。

(2)レギュラータイプの増感紙と比べ非常に高い感度を持つ。

初期のものは画質が悪かったが、その後の改良によって感度、画質ともに格段に進歩し、現在の主流(70〜80%)となっており、メーカーも力を入れている。

(3)銀の使用量が低く、環境問題にもメリットがある。

(4)価格がやや高いのが難点であるが、フィルムの値段は変わらないので、大幅な出費増とはならない。

がある。

どちらを選ぶかだが、種類の項で書き並べたとおり、現在はオルソタイプが主流となっており、各メーカーが総力を挙げて改良に取り組み続けている。そのため、「医療用X線写真は、オルソタイプのものをもって現在の基準とする。」と言える。

またオルソタイプは、高い画質を維持しながら、感度もより高くなっており、「増感紙の機能」の項に述べた長所をいっそう伸ばしている。

特に、診療所のように「小容量のX線装置で撮影する」、「息や体動を止めにくい、お年寄りが多い」場合には、積極的にオルソタイプ増感紙を選ぶべきである。結論として、

1.現在の医療用X線写真の品質は、オルソタイプが基準である。

2.オルソタイプ増感紙は、画質を損なうことなく、小容量X線装置のX線出力の不足を補うことができる。X線出力増加を装置の側で行

 

 

 

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