トラブルに見舞われたところがあった。
3. 感光機材
1)カセッテ、増感紙、フィルム
古い物がそのまま使われていることが多く見られた。10年は珍しくなく、20年前の物を使っているところもあり、当然オルノシステムの普及はかなり遅れていた。
これは、例えばX線TV透視装置が新しく更新されていても、カセッテ、増感紙、フィルムは古いままということがある。
事務側の理解を得にくいようである。
2)増感紙とフィルムとの整合性(レギュラーかオルソか)は、古い点を別にして、間違いは見られなかった。
3)あまり使用しないサイズのフィルムにはカブリ(封を切って数ヶ月も経っているため、X線を受けていなくても透明になる部分が感光していて、現像すると黒くなる。)が生じていて、それが分からずに使用している例が多く見られた。
4. 撮影室
1)これも暗室と同じく診療所そのものに依存することになり、まちまちであったが、放射線防護上の問題は見られなかった。
5. X線装置
1)年式は様々であり、X線出力等、性能には大きな開きがあった。
2)コンデンサー式という、非常に特殊な装置を使用している施設があった。これには、普通の撮影条件は全く適用できない。
3)放射線防護及び高電圧系の安全性には、特に問題は見られなかった。
4)ある診療所で、X線TV透視装置が故障で使えないというところがあった。調べてみたところ、TVの輝度調整が悪かったために見えなかっただけであることがわかった。
6. 撮影条件
1)診療所で一般的に使用されている、メーカーが設定した条件は、
(1)部位の厚さには、電圧を変化させて対応しており、その幅も大きく、写真効果(被写体コントラスト)の観点からは好ましくないものであった。
(2)X線装置の性能に比べ、極端に電流値が少なく、古い時代の条件をそのまま使っているように見られる。従って、短時間撮影に設定されているとは言えない。
(3)特に多くのX線量を必要とする腰椎側面等の条件は、低すぎるも