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変異の有無を検索し同定することを第二の目的とした。

 

?U 対象および方法

 

A 常染色体優性非症候群性感音難聴(DFNAll)の耳科学的検討

対象とした家系は栃木県および福島県在住の4世代の家系である(図1)。対象者全員より難聴に関連する既往歴の有無を聴取し、耳鏡検査、純音聴力検査を施行した。難聴を認めた症例では他の症候の有無を検討し、そのうち4例では以下の聴覚精密検査を行った。語音弁別検査(TY-89語表)、自記オージオメトリ、SISI検査、アプミ骨筋反射検査(対側刺激が0.5,1,2,4kHz、同側刺激が0.5,1,2kHz)、ティンパノメトリー、ABR、誘発耳音響放射(IL088)、歪成分耳音響放射(IL092)。また3例に側頭骨CTを施行した。

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B DFNAll家系におけるミオシンV?UA遺伝子変異の検索

DFNAll家系の難聴者と健常者から得た末梢血より抽出したgenomic DNAを用いた。PCR法によりミオシンV?UA遺伝子のエクソンを増幅し,PCR産物を8%非変性ポリアクリルアミドゲルにて摂氏4度で電気泳動して,銀染色にて一本鎖DNA高次構造多型(SSCP)を検出した。SSCPにて変異が疑われたPCR産物は,蛍光式自動シークエンサーを用いて両鎖の塩基配列を直接シークエンス法にて決定した。変異が同定された場合は,PCR産物をベクターにサブクローニングし,いくつかのクローンについて塩基配列決定を行った。

 

 

 

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