?V 結果
A 常染色体優性非症候群性感音難聴(DFNAll)の耳科学的検討
8例に両側性感音難聴を認めた。耳鏡所見では1耳(症例2左耳)が鼓膜穿孔閉鎖術後であるほかは異常を認めなかった。難聴に関連する既往歴は、同耳の慢性中耳炎のみであった。難聴以外の症候はなく、非症候群性感音難聴と診断した。発症年齢はほとんどが10歳代で全員言語獲得後であり、緩徐に進行性であった。めまいの既往はなかったが、耳鳴を1例に認めた(表)。8例中4例のオージオグラムを図2に、検査所見のまとめを表に示す。語音弁別能は比較的高齢の症例1を除き良好であった。ティンパノグラムは前述の1耳を除きA型を示した。4例の自記オージオメトリは全てJergerI型であったが、SISI検査は4例とも100%で、アプミ骨筋反射も検出され(表)、補充現象陽性であった。ABRは症例2、 3では異常を認めなかった(表)。誘発耳音響放射(図3)、歪成分耳音響放射(図4)とも明瞭な反応は記録されなかった。症例1、2、3で施行した側頭骨CTは異常を認めなかった。