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則に従っていた。

 

?V 結果

A. 臨床的背景

CAD群とコントロール群の臨床的背景を表1に示す。両群間に年齢,Bodymass index,血圧,血清コレステロール値,糖尿病の頻度について有意差を認めなかったが,喫煙の頻度はCAD群でコントロール群に比べ有意に高頻度であった(63%vs.29%)。

 

B. ecNOS遺伝子型について

PCR産物の解析では,27bp繰り返し配列が5回のceNOS4b(420bPのバンド)と27bP繰り返し配列が4回のceNOS4aに判別できた。遺伝子型の頻度はCAD群でa/a,a/b,b/bはそれぞれ3%(n=1),45%(N=18),52%(n=21)であり,コントロール群と有意な差は認められなかった(表2)。対立遺伝子の頻度も両群間に差を認めなかった。coronary scoreとecNOS遺伝子型との間にも関連はみられなかった(図1)。

 

C. ACE遺伝子型について

PCR産物の解析では490bpのI alleleと190bPのD alleleに判別でき,遺伝子型を判定した。CAD群ではDD:45%,ID:35%,?U:20%であり,コントロール群に比べ有意に遺伝子型DDの頻度が高かった(表3)。対立遺伝子Dの頻度もCAD群で有意に高頻度であった。coronary scoreとACE/DD型との関連を検討すると多枝疾患ほどDDの頻度が高かった(図2)。

 

D. ecNOS遺伝子型とACE遺伝子型の組み合わせによる解析

CADと有意な関連がみられるACE/DDとACE/1D+IIの2群に分けてecNOS遺伝子型とCADとの関連について検討した。ACE/DD群の検討でもACE/ID+?U群の検討でもecNOS遺伝子型とCADには有意な関連は認められなかった(表4)。

 

?W 考察

今回の研究では,従来の報告のようにACE遺伝子多型とCADとの関連は認められたが,ecNOS遺伝子多型との関連は認められなかった。両遺伝子多型の組み合わせによる解析でもecNOS遺伝子多型はACE遺伝子多型の差を増強する効果はみられなかった。

血管内皮細胞由来のNOは,血管機能の調節因子として確立されている。

 

 

 

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