ACE遺伝子多型との関連を検討することとした。
?U 方法
A. 対象集団
CAD群 冠動脈造影検査上内径50%以上の狭窄が認められた40例(男性24例,女性16例,平均年齢64±10歳)。
コントロール群 冠動脈造影検査上有意な狭窄病変を認めず,病歴上もCADの既往のない34例(男性19例,女性15例,平均年齢62±13歳)。
冠動脈造影検査は冠動脈内に亜硝酸剤を注入後造影し,判定をした。内径の50%以上の狭窄を有意狭窄とし,罹患枝数をcoronary scoreとした。血圧は標準的なカフ法にて測定した。血清コレステロール値,血糖値は通常の生化学的分析にて行った。拡張型心筋症,肥大型心筋症,脳血管障害の既往のある症例は解析から除外した。
B. ecNOS及びACE遺伝子型の解析
5mlの患者末梢血よりDNA抽出キット(QIAamp blood kit;Qiagen INC)を用いてDNAを調整した。ecNOS及びACE遺伝子のPCR解析を行った。
ecNOS遺伝子に対してはセンスプライマー
5'AGGCCCTATGGTAGTGCCTTT 3', アンチセンスプライマー 5'TCTCTTAGTGCTGTGGTCAC 3'とした。 ACE遺伝子に対してはセンスプライマー5'CTGGAGACCACTCCCATCCTTTCT 3', アンチセンスプライマー 5' GATGTGGCCATCACATTCGTCAGAT 3'とした。1μg genomicDNAを検体とし, 100pmolのプライマー, 3.OmM Mgc12'50mM KCl,10mM Tris-HCl,pH 8.4, 0.5 unitのTaq polymerase(Perkin Elmer Cetus,Norwalk,CT)にて総量100μlでサーマルサイクラーでecNOS遺伝子には35サイクル反応を行った。denaturationを94℃1分,annealingを56℃1分,extensionを72℃2分で行った。ACE遺伝子には45サイクル反応を行った。denaturationを94℃1分,annealingを58℃2分, extensionを72℃1分で行った。PCR産物はそれぞれ5%ポリアクリルアミド及び2%アガロースゲルにて電気泳動し,エチジウムブ口マイド染色にて遺伝子型を判別した。
C. 統計学的解析
臨床検査値は平均値±標準誤差で表し,対応のないStudent t-test及びχ2-testにより解析し,p<0.05を有意差ありと判定した。対立遺伝子の頻度は遺伝子型より計算した。ecNOSおよびACE遺伝子多型はHardy-Weinbergの法