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(2) 港湾財政の概況と公営企業会計方式による財務の特色

 

1)主要8港の港湾収支状況

次に、図表8-4にもとづいて主要8港の港湾収支状況を概観する。これは一般会計のなかで財務処理されているので、官庁会計方式によってあらわされた数値である。

図表8-4から以下の4点がわかる。?@使用料などの港湾収入が1991年度をピークとして減少を続け、1995年度では歳入全体の19%になっていること、?Aその他収入(貸付元利償還金や精算還付金、土地売却益など)も91年度をピークとして減少を続け、95年度では歳入全体の12%になっていること、?B国庫負担金と公債は上記の収入と逆の動きをみせ、91年度を底として急増している。国庫負担金は、95年度では歳出に占める大きさが約20%で90年度の6倍となっている。公債は95年度で歳出の33%を占め、90年度の2倍であること、?C県(市町村)負担金・受益者負担金は93年度から増加傾向をみせ、一般財源繰入れは91年度から増加し95年度で減少していること。

県(市町村)負担金が他の収入源とちがった動きを示しているのは、港湾管理者が弾力的に運用できる唯一の収入源であるためと考えられる。

図表8-5(次ページ)は、図表8-4のデータのうち負担金を国と地方公共団体に分け、財政支出を負担者別にあらわしたものである。なお、県(市町村)負担金と受益者負担金は地方公共団体の負担とみなした。これによると、90年度では利用者負担が23%、公費負担(国と地方公共団体の負担)が約50%であるのに対し、95年度では利用者負担が19%に減少し、公費負担が69%に増加している。地方自治体の財政負担は92年度から急増していることがわかる。

図表8-6(次ページ)は主要8港の企業会計方式による財政収支の推移、図表8-7(171ページ)は収支比率をグラフにしたものである。ちなみに、経常収支は、当該年度に港湾事業のサービスを提供することによって生じた費用と、

 

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