1) 輸入コンテナ増大と定曜日サービス
国際的なジャスト・イン・タイム物流のベースとなるのは、コンテナ輸送と航空貨物輸送である。コンテナ輸送は、日本の貿易の特徴である高付加価値の製品類に適した輸送手段であり、急速に輸送量を増やしている。とくに製品輸入の急増に対応して、輸入が急増しており、1994年には輸出を上回るに至っている(図表1-6、次ページ)。従来の輸出主導型の貿易では、空コンテナの確保が問題であったが、現在では名古屋、清水、四日市などの中部地方の港湾を除き主要港は輸入超過に転じており、むしろ空コンテナ回送によるコスト増が問題となっている。
このような輸入急増は、前述のとおりアジアとの分業体制を反映している。アジア域内での国際分業体制、さらには世界4極間の調達。生産・販売物流を効率化するために、国際的な定時輸送体制が求められるようになっている。こうしたニーズに応えるため、国際海上コンテナ輸送では定曜日サービスが求められている。しかしながら激しい船社間競争のなかで規模の経済を追求する動きもあり、コスト削減とサービス向上という両方の目的を達成する必要に迫られている。