国際輸送活動では、ドア・ツー・ドア輸送ニーズの高まりによって、複数の輸送機関を結び付けた複合一貫輸送が重要性を増していることも特徴である。複合一貫輸送は、2つ以上の異なる輸送手段によって最終目的地まで一貫して輸送するサービスである。前述の航空と海運を結び付けたシーアンドエア以外に、海運と鉄道、内陸水運、トラックなどの組み合わせがある。厳密には、さらに単一の輸送契約、一貫責任、通し運賃があげられる場合もあるが、これらの条件を満たしていない場合も多い。現在では、様々な地域向けに国際複合一貫輸送サービスが提供されている。
輸送活動には、荷主みずからが自己の貨物を輸送する自家用輸送(自己運送)と、他人の貨物を輪送し運賃を得る営業用輸送(他人運送)とがある。前者はみずからがサービスを生産し消費する組織内取引であるのに対し、後者は異なる主体がサービスを売買する市場取引である。国際物流では一般的に、貿易の主体は、営業用輸送の定期船、なかでもコンテナ船によって輸送される場合が多い。ただし、石油、石炭、LNG、鉄鉱石などの燃料・原料の輸送ではそれに適した営業用または自家用の専用船が利用されているほか、自動車の完成車では自動車専用船が利用されている。
営業用輸送を提供する主体には、船舶、航空機などの輸送機関を保有して輸送サービスを提供する実運送業者(キャリア)と、みずからは輸送機関を保有せず実運送業者を利用する貨物運送取扱業者(フォワーダー)とがある。フォワーダーは、1984年アメリカ新海運法でNVOCC(Non-Vessel Operating Common Carrier)として位置づけられてから、成長を続けている。
2) 包装活動
積み替えや輸送時における貨物の損傷を和らげたり、荷役を容易化するうえで包装活動が重要である。国際物流では、コンテナリゼーションが重要な役割を果たした。堅牢な規格化されたコンテナを共通の輸送用具とすることで、荷役効率を大幅に向上させることが可能になった。前述の国際複合一貫輸送の発展においても、異なる輸送機関間の積み替えを技術的に容易にするコンテナが重要な役割を果たしている。