(3) 他の行政機関等における本人確認事務等への利用
ネットワークシステムの活用により、一つの市町村の区域を越えた本人確認が可能となることから、住民基本台帳事務以外の行政分野における行政サービスの効率化、広域化が可能となる。その前提として、利用できる行政分野を法律上厳密に規定するとともに、利用を行う行政分野においても、厳格な個人情報保護措置を法律上講じた上で使用することとすべきである。
なお、先に述べたように都道府県は、住民基本台帳法に基づきネットワークシステムに係る連絡調整等を担当することとなるが、都道府県の個別行政分野に活用する場合においても、法令による明確な規定を置くことが適当である。
1) 行政機関における本人確認事務の効率化
将来的には、法令上の根拠を有する行政機関において、本人確認を容易に行い、効率的な行政サービスを提供することが期待される。
以下、活用できる可能性のある行政サービスのイメージを示すこととする。
(例)
○ 選挙の際の本人確認
現在、投票所における本人確認は、投票所入場券を提示させたり、口頭で住所や生年月日を確認したりするなどした上で、選挙人名簿と対照することにより行われているが、カードを活用することで、より簡易・迅速な本人確認が可能となり、選挙執行の際の事務の効率化に資することとなる。
また、多額の費用を要することや、セキュリティ対策等、さらに検討する必要があるが、将来的には、指定された投票所だけでなく、端末機器の設置により複数の場所でも投票できるシステムの導入が検討される場合にも活用できる可能性がある。