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化の推進を提言したい。総合窓口に関連する業務は、地方公共団体ごとに全く異なるものではなく、民間企業の情報システムとは比べものにならないほど情報システムの標準化が構築できる余地は大きい。最近の情報システムのベンダーの動きも、パッケージ化された地方公共団体向けの情報システムの提案を積極的に行っている。

 

総合窓口の情報システムのパッケージ化のメリットとして、「コストの低減」が挙げられるがそれ以外にも、総合窓口の未導入である地方公共団体に対する「ソフトウェアの流通」という可能性を秘めている。確かに、システムの互換性や、各地方公共団体の独自性が反映されたカスタマイズ等の問題が存在するが、「ソフトウェア流通」が進展すれば、ソフトの受け手側の地方公共団体においてはシステム構築にともなうコスト負担の低減や導入までの時間短縮等のメリットが生じるものと考えられる。民間企業では、他社への「ソフトウェアの流通」は、自社内部に蓄積されたさまざまなノウハウが同時に流出してしまうことから、現実的に進展しないものと考えられる。地方公共団体では、他団体にノウハウを流通させることは逆に受け手側のメリットとなるため、充分にそのメリットを享受すべきであると考えられる。

 

6-3-2 運用コストを考慮したシステム構築

 

情報システムの構築段階では、システムの開発費用等(つまり、初期投資費用)に目を向けられがちではあるが、導入後に発生する運用コストに関してもどの程度の負担が生じるのかも充分検討する必要がある。

 

「情報化時代の住民サービスシステム(市町村自治研究会編著)」によれば、地方公共団体の情報システムに関わる費用として、一時経費(初期投資費用)とシステム運用時の経常経費に大別し、図表6-3のような項目に分類を行っている。

 

経常経費(運用費用)は、総合窓口の情報システムを構築する際にも当然発生するものでありその費用は小さいものではない。よって、システム構築段階から、運用コストの大きさをある程度のレベルで把握し、あまりにコスト負担が大きい場合にはより小さい負担で住民サービス向上の質を落とさない方策を検討する必要があると考えられる。

 

 

 

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