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住民が地方公共団体の窓口と同程度もしくはそれ以上の頻度で出向く窓口として、銀行が挙げられる。銀行においても、顧客の満足度を向上させるための対応として、最も苦情の多かったものの一つである「待ち時間の長さ」を改善するさまざまな方策を打ち出している。例えば、顧客の約8割が取引処理を行っているATMコーナーの「一列行列方式」を実施し、預金と為替窓口を総合化する等の方策である。

銀行では、繁忙時においても職員自身に「正確性」を求め、その「正確性」をシステム化、機械化によってすべてカバーされるという考えを戒めている。情報システムは、確かに人手より早く正確に行われるが、システムも機械も論理的なチェックはできても、入力された口座番号が正しいか、金額が正しいかは判定することができない。したがって、情報システムや機械に過剰な信頼を置きすぎると、口座番号相違を看過するといったケースが発生する可能性がある。

 

● 管理体制の充実

 

情報システムを活用した総合窓口を運用する上では、情報管理主管部門の役割はさらに大きなものとなる。特に、各業務の情報システムが連携を取り、各種データが頻繁に行き交う情報システムにおいては、システム上のトラブルが発生した場合は早急に解決する必要がある。

よって、情報管理主管部門が、総合窓口の情報システムの「トラブルが起きたときに最小限の被害にするための事前の体制」と「トラブルが実際に起きた場合の対応」を、マニュアル化し、関連する各原課に充分理解をさせる必要がある。場合によっては、防災訓練のような、システムトラブル時の対応訓練を行っても決して無駄なことではないと考えられる。

 

● 関連担当者等への研修

 

総合窓口を運用することにより、職員は今までの個別事務の知識からより広範な知識を必要とすることになり、職員の負荷が高まる。例えば、住民と直接接する総合窓口の担当職員は、総合窓口で行う全ての業務の申請に関して、ある程度の知識を持っていなければならない。

 

 

 

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