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後のケースでは、市町村役場の管理者は、他の手段により(警察による通知、市町村自体による調査など)居住者が実際その住所に居住していることを証明する必要がある。その結果居住が証明された場合、その居住者を住民簿に登録しなければならない。これは法律上の住居の所有者が当局または裁判所でその権利を行使することとはまったく無関係であり、住民簿の管理者がそのような権利を行使することはけっしてない。

ある市民がすでに被登録者が存在する住所に登録を申請する場合、その申請者に対し居住を正当化する書類の提示を求める代わりに、その住所に登録済みの成年者1名の文書による許可を要請する必要がある。

本住民登録の際、その住所の被登録者が転居したことを市町村役場が察知した場合、通常の手続きに従い新居住者の登録を受け付け、同時に転居した旧居住者の登録を住民簿から抹消する措置を開始するものとする。このような状況については、新規被登録者から申請があった場合に発効される証明書の「注記」欄に明記することが可能である。

登録住所が集合施設(集合住宅、修道院など)の場合、許可書には同施設の管理者の署名を必要とする。この場合、住民登録書式の「住居の種類」の欄に「集合施設」と明記するものとする。それ以外の場合の住居の種類は「家族」である。

住民登録のその他のデータ(身分証明書番号、学籍など)を実証する書類の証明を行う市町村役場の権限は、記入データの信憑性に対する確信を得るために必要な範囲で提示を要請するのと同じ基準に従って行使されなければならない。

一方、前述のように、住民登録管理者の第一の義務は住民簿に記載された情報の維持と更新である。法律(第17.1項)および規制(第63条)はこの使命遂行において他の市町村役場の協力を想定しているが、そのような措置は各市町村自身の責任に置き換わるものではなく、したがって各市町村は住民登録情報に生じるあらゆる変動に対応し更新するために他の市町村および他の手段を通じて知識を得た者からの情報提供に期待してはならないことは明白である。

 

4. 社会的弱者の登録

前記の基準において指摘したように、住民簿は市町村に住む居住者が実際に居住する住所を反映しなければならない。実際の住所が存在するかぎりそれは住民簿に記載されなければならない。また、住民登録は住居の所有権に関する法律的、私的議論とはまったく独立しているのと同様、物理的、衛生的境遇、住所に影響を及ぼすその他の要因と

 

 

 

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