ステムを活用して当該住民に係る必要な住民基本台帳記録情報を交換できるようにする必要がある。この場合においては、センターのファイルには4情報以外の情報は記録されないものとする必要がある。」
この記述は、住民基本台帳に記載されている、国民年金、国民健康保険、児童手当等の情報が転入・転出時に同時にオンラインで伝送できるようにすることによって、ネットワークによる情報と紙による文書情報の二重構造を避けることを目標としていることは明らかである。
4-2 共通番号の利用の拡張
住民基本台帳ネットワークシステムの共通番号は基本的には市町村間の住民記録情報の交換のために設定されるものであるが、この共通番号が、いわゆる国民ID(Identification Number)として利用できることは既述のとおりであり、むしろそのことによって、国民にとって行政サービスが向上することになるはずである。住民基本台帳事務以外に拡張する可能性として、以下のような事務が想定される。
(1) 県・国の機関における住所変更
住所変更は年間460万件ある状況において、住所データの更新は市町村だけではなく、県、国のアプリケーションにおいても大きな事務処理であることは間違いない。そのことは、行政側の事務処理の効率化だけではなく、住民側にとっても、市町村1個所に届け出れば、複数の機関のアプリケーションの住所変更が自動的にできるならば、そのメリットは大きい。日本全体で住所変更に伴って必要とされる時間短縮は莫大なものとなり、それを経済性のメリットと考えることもできよう。この住所変更一元化については、次節のワンストップサービスにおいて詳述される。
(2) 県・国の機関における活用
住民基本台帳の記載によって本人確認を行なっている事務は県、国においても多種に及んでおり、現行ではその大半が本人に住民票の写しを添付させるという方法を採っている。この場合、本人は住民登録をしている市町村に出向き、住民票の写しを入手し、それを添付することになるが、受け取った行政機関側も再度、自システムに入力すると