(1) 住民基本台帳コードの設定・付与
住民基本台帳コードは、「市町村の区域を越えて住民が行政サービスを受け、行政機関が本人確認を行なうために、住民個人を単位とする重複しない全国共通のコード」として設定される。具体的な設定方法は以下のとおりである。
?@ 住民基本台帳コードは、当該住民が住民基本台帳に記録されている市町村において設定される。その他、住民が初めて住民基本台帳に記録された市町村において設定される。
?A コード体系は9桁の数字と1桁のチェックデジットからなる10桁となる。
?B 個人情報の保護等の観点から、コード自体からは、氏名、住所、性別、生年月日等の個人情報が判別できないようにする。
?C コードは市町村があらかじめ、全国単位センターから発行された重複しない乱数群の中からランダムに設定する。
?D 市町村は、コードを設定した後、速やかに本人に通知する。
以上の方法は、事務処理用統一個人コードで検討されたものと以下の点で異なる。
?@ コード自体からは性別、生年月日が判別できない、乱数で設定するとしているが、これらがプライバシー上重大な秘匿事項であるか否かという議論と、この5桁については本人が容易に記憶できるものであること、事務処理上も有効なコードとして利用できることというメリットを考慮するべきであると考えられる。住民基本台帳ネットワークシステムでは、不要なプライバシー論議に踏込むことを意識したためか、完全に無色のコード体系を採用しようとしている。
?A 住民基本台帳コードが設定されたら速やかに本人に通知するとしている点も事務処理統一個人コードの場合と異なる。後者では、どちらかというと行政内部の事務処理の効率化が目的とされ、本人がそのコードを行政との関係で使うことは想定していなかったように考えられる。また、当時のアプリケーション・システムの状況では、統一個人コードによって行政サービスの新しい形態は考えられなかったという事情もある。