(1) 本人認証の基本概念
我々の日常生活は人と人とのつながりが基礎になっている。そこでは相手を何らかの根拠に基づいてある特定の人と認識することから全てが始まると言って良い。相手と対面していれば、まずは顔が主要な根拠になるであろうし、電話など、相手の顔が見えない場合でも、その人特有の声の質や、過去のつながりから生まれる共通した基盤の上で会話がなされるかどうかなどから間接的に証明していくであろう。
ところが、全く面識のない人に対しては、一般的には、自分が本当に自分であることを証明することは現在の社会では非常に困難である。それでも、コンピュータ室や原子力施設などの高度なセキュリティが必要な重要部署への入室管理に代表されるように、個人を識別するシステムは非常に必要とされている。自分が自分であることを証明する本人認証における認証パラメータに要求される主要な条件としては、