この暗号文は、共通の鍵Kを持っている送信者と受信者しか復号できない。すなわち、暗号化アルゴリズムが十分に安全であると仮定すれば、ネットワーク上に流れた暗号文は、同報通信であったとしても、他のユーザーにはその内容を知られることがないので、送信者が受信者のみに通信したのと同じことになる。代表的なブロック慣用暗号として、アメリカのデータ暗号化規格DES(Data Encryption Standard)、NTTのFEAL等がある。DESは安全性、通信効率の上で非常に優れているとされていたが、近年のBiham、Shamir、松井ら著名な暗号学者による研究でその安全性が危具されつつあり、米国安全保障局(NSA:National Security Agency)はより安全な暗号としてSkipJack Algorithm/Clipper Chipの採用を推し進めようとしてきた。しかし、この方式は暗号アルゴリズムが非公開でありNSAはいかなる通信内容を盗聴できるという問題があるために下火になりつつある。有力な秘密鍵暗号が発明されるまでの代替策として、現在推奨されているのがDESを用いて異なる鍵で三重にデータを暗号化するもので、TripleDESと呼ばれるものである。