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6) 実施責任等

 

1986年4月には、機械情報産業局長の懇談会(「情報化対策委員会個人情報保護部会」)の報告として、「民間部門における電子計算機処理に係わる個人情報の保護について(指針)」がまとめられた。これは、JPDECが策定した「民間部門における個人情報保護のためのガイドライン」を踏まえ、これを本部会の指針として改めて広く関係者に提示するとともに、関係者が留意すべき事項等を取りまとめたものである。

さらに、通商産業省として、同年6月28日付けで、本指針に基づいてガイドラインの策定を行うよう関係業界に対して通達を出し、指導を行っている。その後、1986年7月7日には、通商産業省大臣告示により、「個人情報保護措置登録簿制度」を創設し、業者および事業者団体等が実施している個人情報保護のための措置の概要、国民等からの問い合わせ先等についての申告内容を登録することとして、現在、12団体からの登録を受けている。1993年からはその内容を毎年通商産業省広報に掲載し、その内容の一般への周知に努めてきた。

各団体が策定しているガイドラインは、基本的にはJPDECガイドラインを踏まえているため、OECDの8原則に対応しているが、各業界における特殊事情もあるため、より具体的かつ現実に即した制度の実施を図っている。たとえば、日本通信販売協会(JADMA)では、1987年からメール・プレフアレンス・サービス(MPS)を実施している。同サービスは、一般消費者のプライバシーを保護する見地から、顧客からダイレクトメールを送って欲しくない旨申し出られた場合、その名前を会員通信販売会社の顧客名簿から削除するシステムである。会員会社は協会に申し込みのあった希望者の氏名についてはそのリストから削除するよう要請される。協会では、常設窓口として、「通販110番」も設けており、会員各社には協会のJADMAマークが表示される。

また、会員各社の営業店等における個人情報の保護および適正管理を図り、管理責任者および個人情報を取り扱う担当者が、個人情報保護に対して重要性を十分認識し、社内および業界における個人情報保護に関する意識とスキルの向上を図ることを目的として、日本クレジット産業協会では「個人情報取扱主任者資格制度」、全国信販協会では、「個人情報取扱主任者認定制度」をそれぞれ設けている。

12団体以外としては、金融機関等では、1987年に(財)金融情報システムセンター(FISC)において「金融機関等における個人データ保護のための取扱指針」が策定

 

 

 

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