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B. 権利付与原則

個人は、自己の個人情報を入手する手段;自己の個人情報の利用にあたって、公正さを保証するに十分な質が保たれていない場合、その個人情報を訂正する手段;伝達および処理における機密性および完全性を保護するため、暗号化等適切な技術的コントロール手段を講じる機会;適切な時には匿名を利用できる機会;を有することにより、自己のプライバシーを守るようにすべきである。

C. 救済原則

個人は、個人情報の不適切な開示または利用から損害を被った場合、適切な救済手段を有すべきである。

 

(b) カナダ

カナダは、OECD加盟国の中でも、データ保護法を制定した最初の国の一つである。1977年にスウェーデン、アメリカ、西ドイツが法制を執行したが、カナダも同年、「カナダ人権法」と称するプライバシー法案が議会を通過した。この法律の下でプライバシー監督官の地位が確立され、公正な情報の運用に関する原則が提示された。

その後、1982年に第2世代の法律として、調査と監視に関して全般的一に強化し、連邦政府による個人のプライバシーの保護を一層強固に実施する「連邦プライバシー法」が制定された。同法は、手作業ファイルおよび自動処理ファイルの双方に適用されるものであり、また、対象を自然人に限定している。

1982年の法律は、個人情報の保護、保持、廃棄、保護に関する公正な情報の運用を行うための包括的な基準からなっている。個人情報の収集については、「いかなる個人情報も、政府機関の事業計画あるいは事業活動に直接関連している場合を除いて、政府機関によって収集されてはならない」と規定している。個人情報が収集される場合には、本人から収集されるべきであり、その情報が何の目的で使用されるかを通知されるべきである。また、政府機関によって、特定の目的のために収集または蓄積された個人情報が不要になった場合には、その情報を廃棄しなければならないことになっている。しかしながら、このような規定を監視したり、実施することは極めて困難であるところから公的機関に対するオンブズマン(行政監督官)としての役割を持つプライバシー監督官を設けて対応を図っている。個人は、自己の記録に対するアクセスを拒否された場合に

 

 

 

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