メーカ外字は、メーカがJIS文字を補完するために独自に追加した文字をいう。追加した文字は、各メーカが独自に選択しているために、メーカ間における互換性は見られない。
?B ユーザ外字
ユーザ外字は、市町村が独自の判断で外字として認定し、登録した文字をいう。多くのユーザ外字は、JIS文字及びメーカ外字に登録されていない人名文字(氏名)に存在するということができる。市町村における外字は、転入者の異動処理において氏名の字形が戸籍に記載されていることを確認し、かつ、JIS文字、メーカ外字そして当該市町村の登録済外字にも存在していないことを確認した段階で、新たな外字と認定し登録する。
このことは、結果的に複数の市町村において、同じ字形をそれぞれ外字として重複して登録することになる。この時、字形は同じであっても文字コードは、市町村によって別々のコードを割り当てることになる。
(3) 外字の標準化への期待
近年、ネットワークの利用により行政区を越えて、住民が必要とする行政サービスを迅速に提供できる仕組みが求められている。これを実現するための技術的課題の一つに、外字の標準化がある。
外字の標準化に当たっては、市町村によって異同があるJIS文字のゆらぎを調整し、また、メーカ外字についてメーカ間における互換性をとることが必要になる。更に、ユーザ外字について、市町村が同じ判断によって登録できる共通的な規準の策定が期待される。
一方、(財)日本規格協会の符号化文字集合(JCS)調査研究委員会(委員長 芝野耕司東京国際大学教授)において、現在のJIS X 0208の文字の外に新たにJIS漢字を拡張する計画を進めている。この計画では、通常使用している日本語の表記に必要な文字を整備するために、人名文字、地名の文字及び教育用の文字・記号等に関して現行のJIS規格において不足していることなどを鑑みて、JIS X 0208(6,879文字)を補完する文字として新たに第3水準漢字(約2,000字)及び第4水準漢字(約3,000字)を追加することとしているが、この制定が期待される。