* 権利利益の侵害の恐れがない場合
・ 統計目的の場合
・ 研究目的の場合
・ 正当な理由があり、かつ、当事者の利益が損なわれない場合
* その他
・ 緊急に人の健康・安全を確保する必要がある場合
・ 議会・委員会に提出する場合
・ 裁判、訴訟手続のために提供される場合
・ 登録された提供先に提供する場合
上記の諸外国において認められている他ファイルとの結合のうち、日本の個人情報保護法で利用・提供の制限緩和という形で認められているものは、下線を付したものであり、ほとんど主要な場合は共通してカバーしていると考えられる。
保護法でマッチングを直接的に規制していないのは、行政が所掌事務の範囲内で個人情報を収集、処理、利用するのが原則であり、それを超えて、様々な個人情報ファイルが自由に結合され、利用されるということは行政にはないことが前提にあるからである。他ファイルと結合する際には上記の条件に該当する場合に限定し、それを告示して実施するということで、マッチングによるプライバシー侵害の可能性を防いでいると考えられているのである。
?D 民間における統一個人コードの利用
行政機関が保有している個人情報の利用に関しては上記のように、個人の権利利益が侵害されないよう、しかるべき措置が採られていることから、根本的に問題はないと考えてよいのであるが、なお、民間におけるプライバシー侵害、個人情報の悪用の恐れは依然として存在する。これら民間における個人情報の利用を規制する法律がなく、図表1-12のような、業界単位のガイドラインによる自主規制や、個別法による個別規制にとどまっている事情もある。
これら民間における個人情報の保護について、経済活動であること、業界によって個人情報の利用取扱いが区々であること等から、いまだに一律の法律で規制するのは困難になっている。国の行政機関を対象とする保護法が制定された際にも、この民間部門に