1-2-3 プライバシー論議
昭和40年代に実施された事務処理用統一個人コードに関する調査研究を中止するにいたった背景として、技術的な限界、各省庁のアプリケーションの未成熟、国・地方の連携協力、法的な未整備等、様々なことが考えられるが、国民の理解を得られず、プライバシー侵害という国民の懸念に応えきれなかったことも、大きなファクターであったことは事実である。今後の統一個人コード導入を実現するためには、この国民のいわゆる“プライバシー”問題に応えていく必要があろう。
(1) プライバシーに関する世論
プライバシーに関する世論調査は、総理府世論調査として、昭和56年、60年と平成元年の3回にわたって実施されている。これら調査結果に基づくプライバシー論議の傾向、意味は以下のとおりである。
?@ プライバシーに関する関心度
プライバシー保護問題の関心度は図表1-5のとおりであり、プライバシーに関して一般的に関心は高いといえよう。昭和60年と平成元年の2つの調査で大きな変化は出ていない。