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号制度が整備されていくことが期待される。これらが納税者番号として利用できる程度にまで整備されていけば、将来的には納税者番号制度が一定の限界はあるものの、適正・公平な課税を実現するため手段として有力な選択肢となると考えられる。納税者番号制度についての検討を、単に利子・株式等譲渡益課税との関連だけでなく、税務行政の機械化・効率化等も含めた幅広い観点から、積極的に進めていく必要がある。従来、納税者番号制度の具体像が明確でなかったことも踏まえ、同制度の導入の目的に応じて、把握すべき情報の種類や対象となる取引の範囲を類型化していくことが有益であると考えられる。

?M 平成7年度の税制改正に関する答申(平6.12税制調査会)においても、納税者番号制度については、適正・公平な課税を実現するための手段として有力な選択肢であり、近時、例えば21世紀初頭を目途に、その導入に向けた積極的な取り組みを行うべきであるという指摘があることも踏まえ、当調査会における今後の検討のための論点整理を行っておきたいと述べている。

このなかで、納税者番号制度の目的・効果に関し、ア. 税務行政の機械化・効率化による課税の一層の適正化、イ. 総合課税の実施、ウ. 相続税等の資産課税への利用という3つの類型を示している。

?N 平成8年度の税制改正に関する答申(平7.12税制調査会)においては、概要次のとおり述べている。

ア. 今回の審議では、納税者番号制度を導入した場合に国民にいかなる影響を及ぼすことになるかをも含め、制度の具体的な姿をできるだけ明確なものにする観点から、前年の答申に示した3つの類型ごとに想定しうる仕組みを示した「イメージ図」を作成し、これに基づいて更に議論を進めた。

イ. 当調査会としては、今回の「イメージ図」を基に、納税者番号制度の目的や基本的仕組みに対する国民の理解が更に深められていくとともに、国民の問で、より活発な議論が行われていくことが重要と考えており、政府においても、国民の理解を深めるよう努力することを期待したい。

今後とも、納税者番号制度については、国民の受け止め方を十分に把握しつつ納税者番号制度として利用しうる番号の整備状況等を見極めながら、番号の利用に係る官民のコスト等、従来指摘してきた諸課題について更に検討を深めていく必要がある。

 

 

 

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