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このため、平成4年秋以降に、納税者番号制度の導入問題に関する検討結果が求められることとなった。

?G 税制調査会では、昭和63年2月に「納税者番号等検討小委員会」を設置し、制度の内容及び導入する場合の問題点等の検討を行ったが、同年12月の小委員会報告において、納税者番号制度の効果として次の諸点を指摘した。

ア. 取引の場における真正な名義使用の担保

イ. 各種課税資料の名寄せの効率化

ウ. 総合課税の採用

エ. 牽制効果による申告水準の向上

オ. 各種資産の把握により間接的に事業所得の把握に資する

カ. 情報の機械処理による効率化

?H 上記の報告を受け、税制調査会では平成元年度の税制改正に関する答申(平元.1)において、納税者番号制度は、その効果には一定の限界はあるものの、納税者の所得等を把握し適正・公平な課税を実現するためには有効な制度と考えるとした上で、国民生活にも少なからぬ影響を及ぼすものであること等の理由から、その導入には次の諸点が充足されていることが必要とした。

ア. 大多数の個人及び法人に対し全国一連の生涯不変の番号を付与しうる体制ができていること。

イ. 適正な税務執行のために、必要な限りでプライバシーの権利が制限されることはやむを得ないとの考え方、適切な番号管理によりプライバシー侵害が防止できるとの考え方が国民共通の理解となること。

ウ. 納税者番号制度の導入に伴う煩わしさや費用を受忍することもやむを得ないとの認識が国民の合意となること。

以上の諸点のうち、ア. については、税制調査会の審議の対象範囲を越える問題を含んでいるので、政府部内において税務のみならず幅広い視点から検討が進められることを要望するとしている。

?I 上記の答申を受け、政府は「税務等行政分野における共通番号制度に関する関係省庁連絡検討会議」を内閣内政審議室に設置(平成元年2月15日関係省庁申し合わせ)した。座長は内閣内政審議室長で、関係省庁の官房長、局長を構成員とし、また、この会議のもとに、内閣審議官を座長とし関係省庁の課長による幹事会が設置されている。

 

 

 

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