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者にとっては課税の公平性が確保され、課税への信頼が高まることなどをあわせて考えていくことが必要である。プライバシー保護について、個人情報の取扱いを含め問題となる局面を整理して、引き続き検討するとともに、経済取引への影響、コストと効果等についても更に具体的に考えていかなければならない。政府においても、国民の間で納税者番号制度の理解が更に深まるよう適切な情報の提供等に努めることが要請されている。

納税者番号制度をめぐる環境は新しい局面を迎えており、当調査会で、国民の受けとめ方を十分に把握しつつ、より具体的かつ積極的な検討を行わなければならない時期に来ている。」

 

(2) 納税者番号制度の検討経過

?@ 昭和54年度の税制改正に関する答申(昭53.12税制調査会)において、利子・配当所得の総合課税との関連から納税者番号制度に言及した。

?A 昭和54年度にグリーンカード(少額貯蓄等利用者カード)の導入を決定したが、時期尚早であるとして凍結。

?B 昭和55年度の税制改正に関する答申(昭54.12税制調査会)において、本人確認、名寄せに万全を期すためには、納税者番号制度が最も有効な方策であるが、広く一般国民を対象とすることから、十分時間をかけて国民の納得を得ていく必要があり、現時点においては、制度導入のための環境整備が不十分であると指摘した。

?C 昭和61年の税制の抜本的見直しについての答申(昭61.10税制調査会)において、納税者番号制度を前提に、支払調書の提出方法及び電算機利用の検討を進めるとともに貯蓄利用機関と税務当局間の相互協力の必要性を指摘した。

?D 昭和63年の税制改革についての中間答申(昭63.4税制調査会)において、納税者番号制度についてプライバシーの観点からの問題点を指摘した。

?E 昭和63年の税制改革についての答申(昭63.6税制調査会)において、納税者番号制度については、引き続き納税者番号等検討小委員会において幅広い観点から検討するとした。?F 昭和63年の所得税法等の一部を改正する法律の附則第81条において、株式等の譲渡益に対する所得税の課税の在り方等については、納税者番号制度の導入問題等所得把握の環境整備の状況等を含め、5年経過後に見直すものとされた。

 

 

 

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