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(a) 米国方式

個人コードに対する国民側の抵抗感を少なくし、普及定着を図るという観点からは、個人コードを保有し、それを使うことが国民のベネフィットにつながっていることが必要である。米国においては、この社会福祉番号を事実上の個人コードとして採用し、普及・定着に成功している。

日本においては、事務処理用個人コードを検討した際、一時、この年金番号をべ一スとして、国民に統一コードを付番する方式が考慮されたが、結局、以下のような付番の手続的、技術的困難さが明らかになり、年金加入者をべ一スにして、全国民にもれなく、重複なく番号を付与することは不可能に近いことが判明した経緯がある。

 

* 当時、社会保険庁の年金だけでも厚生年金、国民年金、船員年金の3つに分けられ、それ以外にも多くの共済年金があった。

* これら年金が相互に連携が採れていない。

* 異なる年金に加入するたびに番号が払い出された。

* 保険者が、勤務する企業や同一企業内の事業所を変わる毎に、新しい年金番号が付与された

* 年金加入本人の被扶養者の個人情報が把握できない

* 未だ年金が受給されていない加入者の住所変更が社会保険庁において把握されていない

 

(b) 北欧方式

国民の大多数、理想的には全国民にモレなく統一個人コードを付与するには、以下の観点から住民基本台帳をべ一スとする方が適切であるとされた。

 

* 最も多くの国民をカバーしている

* 住所、氏名、性別、年齢の基本4情報がリンクしている

* 住所、氏名の最新データを保有している

* 死亡データが得られる

 

この住民基本台帳をべ一スとする番号は、社会福祉関係の番号をべ一スにする場合と

 

 

 

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