統一個人コードは1億台の人口を考慮すれば12桁(9桁+チェックデジット)で済むことになる。それに比べこのコード体系は12桁であり、冗長になるというデメリットがあるが、このねらいは、生年月日を入れることによって統一個人コード番号を覚え易くすることにあったと考えられる。この方式によれば、国民各人が覚えなければならない番号は一連番号の4桁とOか1のチェックデジット1桁で済む。当時既に普及していた銀行のキャッシュカードの暗証番号が4桁であり、比較的容易に覚えられる範囲であることが実証されていたことから、有効な方式であると考えられた。
また、アプリケーションによっては、生年月日によってデータを分類したり、条件検索したり、突合することは頻繁に起こることから、個人コードに生年月日が入っていることは事務処理上、有効であるという事情もある。すなわち、行政事務の処理において、一定年令に達した者を給付対象者、教育、福祉等のサービス対象者、選挙権者等として検索、抽出することが必要な場合は少なくなく、このコード体系は有効であると考えられたのである。性別を識別できるコードを入れることも、生年月日の場合と同様に、アプリケーションによっては有効なデータとして使用される可能性がある。
しかしながら、この生年月日を6桁で表示する方式は、最初の2桁が西暦の下2桁を表示するのであるから、今になって考えれば、いわゆる2千年問題を内包していたことになる。
?A 付番の方法
1億2千万人以上の国民にもれなく、重複なく番号を付与することは技術的にも、手続的にも検討すべき事項がある。実際にどこで、どのように番号を払い出し、個人個人に与えるかは極めて困難であることが分かった。
国民の大多数又は全員に統一コードを付与する方法として各国で採用されているものに、住民登録を基礎とする方式(いわゆる、北欧方式)と、年金福祉番号を基礎とする方式(いわゆる、米国方式)の2つがある。日本でいえば、前者は住民基本台帳を、後者は年金番号をべ一スとして付番することとなる。それぞれの内容、得失は以下のとおりである。