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タ処理対象業務が増え、特に、国民の多くを対象とするコンピュータ処理が進んできたことによって、個人のコードを統一することの必要性及び方法の検討に入ったのである。

この個人コードの統一は、コンピュータ処理に係るさまざまな標準化の1つとして、当時の行政管理庁が中心となって、関係各省庁の担当部局で構成する研究会で検討されたものである。個人コード統一の必要性に関しては、当時コンピュータ処理が進んでいた年金業務における加入者番号の統一による事務処理の効率化が挙げられた。すなわち、当時、社会保険庁の所管する年金には、厚生年金、国民年金、船員年金の3つがあり、加入者が年金間を移動し、最後に年金を受け取る際に、過去の年金保険料積み立て額から年金額を算出することが困難であったという事情があったのである。さらに、1人が厚生年金に加入していて、同一の会社に勤務していても、事業所が変更になるたびに異なる年金番号が付与されることから、1人の加入者が多くの年金番号を保有するという状況にあった。

この事務処理用統一個人コード検討の背景には、実際には表面化しなかったが、全国民にユニークな番号を付与することによって、所得の捕捉を完全にし、税徴収の適正化を図ろうとする目的もあったものと考えられる。

 

(2) 事務処理用統一個人コードの概要

事務処理用統一個人コードの調査研究は、コード体系と付番の方法の2つが中心であった。それぞれの概要は以下のとおりである。

 

?@ コードの体系

コード体系については様々なものが検討され、比較された。その条件は以下のとおりであった。

 

* 終生不変なものとする

* 個人にユニークであり、重複がない

* 冗長でない

* 国民が覚えやすい

 

以上のような条件の中で検討され、最も有力とされた体系は次の12桁のコードであった。

 

 

 

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