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3. 経営合理化方策

 

経営改善のためには、収入増加とともに支出の抑制(経営合理化方策)の導入が必要である。経営合理化方策としては、「人件費抑制策(船員費の削減、船員2人体制の見直し)」及び「運航費削減策(寄港地の削減、減便、減トン)」がある。

 

1)人件費抑制策の検討

?船員費の削減

当航路の運航事業者の財務内容を見ると、総経費のうち人件費が約3分の1を占めている。これは従業員が高齢化しており、給与水準もかなり高いためである。そのため、従業員の若返りを図るとともに、嘱託化等を進めて人件費の削減を図ることが必要と考えられる。

 

?船員2人体制の見直し

現在は1隻につき船員が2人乗船しているが、後で述べる「減トン化」の実施に合わせて、この体制を見直し、1隻有資格者1人体制も検討する必要がある。また、東西航路の配船を一元化することで船舶と船員の稼動効率の向上を図る方策も検討の必要がある。

 

2)運航費削減策の検討

?寄港地の削減、変更

寄港地の中にはほとんど乗降客のない港もある。一方で、とれとれセンターや引揚記念館のように潜在的には観光客の利用を見込まれる場所への寄港も考えられる。長期的課題として、利用者や住民の理解を得つつ、これらの寄港地へ寄港する便の減便や寄港そのものの廃止及び変更を検討すべきである。

 

?減便

学校や病院が休みの日曜日や祝日は、ヘビーユーザーである通学生徒や通院の高齢者の利用がなくなるため、利用者が大幅に減少する。そのため、日祝日の休航、土曜日の減便の導入が考えられる。しかし、観光客の増えるシーズンには、日祝土曜日は観光客の利用が期待できることから、これらの減便については、観光客の動向やシーズン性を考慮して導入に踏み切るべきである。

 

?減トン

20トン未満の船舶に適用されるメリット(船長の資格は小型1級で可能で、機関長資格が不要となり、船員は旅客の乗降補助及び乗船券の販売等ができればよい。)を生かすため、現在の船舶を減トンする(報告書作成時点では減トン工事を実施し、20トン未満へ減トンずみ)。

 

 

 

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