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2. 収入増加方策

 

1)利便性及びサービス水準の向上による住民利用率向上方策の検討

現在、当航路の利用者は10代(通学目的)と60才以上(通院、買物目的)が主で、20才〜59才の勤め人の利用者は非常に少ない。この理由は、道路整備と住民のマイカー所有の進展により、20代〜50代の勤め人がマイカーを利用するようになったためである。そのため、航路利用者は、マイカーを利用できない中高校生や高齢者に限られるようになっている。航路を利用する生徒数は、今後数年間は横ばいで推移するため、住民の航路利用を増やすためには20代〜50代の利用を増やす必要がある。

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住民の利用率向上方策として「新造船の導入」、「住民の生活サイクルに合わせたダイヤ改正」、「船着場、待合所の改良」、「市街地側の船着場からのバス乗りつぎの改善」が考えられる。以下、これらの方策を個別に検討する。

 

?新造船の導入

舞鶴航路に就航している3隻の建造年次は、昭和53年、55年、平成2年であり、昭和50年代建造の2隻についてはリプレースが迫っている。また、現在就航中の船舶については、「スピードが遅い」、「冷暖房がない」、「座席が不足」、「老朽化している」、等の住民の不満もある。これら住民の不満を解消し、観光客に対しても好ましいイメージを与えるために資金面での問題を克服しつつ、利便性を高めるとともに経済的な運航が可能となる新造船導入を検討すべきであろう。

湾内運航のため、高速化は困難と思われるが、冷暖房の導入、広い座席、モダンな船体など快適性の向上によりマイカー利用者の船へのシフトもある程度は期待できる(特に、冬期は道路の凍結によりマイカーの走行は神経を使うだけでなく危険性も高いが、船舶利用では運転する必要もなく、安全、快適である)。

 

 

 

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