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?住民の生活サイクルに合わせたダイヤ改正

当航路は1日(平日)8便運航であるが、住民(特にヘビーユーザー)は「便が少ない」、「始発、終発が生活サイクルにあっていない」という不満を抱いている。また、アンケートにおいて「増便により利便性を向上させて利用増を図るべし」という意見が、自由意見としてあがっている。

ダイヤ改正のポイントは、始発時刻のくり上げ(早朝の出勤者のニーズに対応)と終発時刻のくり下げであるが、これらはいずれも船員の勤務体制の変更を必要とするため、住民のニーズをさらに詳細に調査し、ダイヤ改正によってどれくらいの利用増が見込めるかを把握する必要がある。

 

?船着場、待合所の改良

現在(東舞鶴の船着場にはトイレ付きの待合所が設置されているためか、便数やダイヤに比べて待合所に対する不満感はやや低い。しかし、市街地以外の船着場は待合所のないところが多く、雨や雪の日の利用には問題点が多い。また、待合所の場所がわかりにくい、という意見もある。特に、観光客の利用促進のためには、長期的には、ふさわしいターミナルの建設や待合所の改良とその場所を示す案内板の設置を検討する必要がある。改良の内容としては、東舞鶴の船着場の待合室(雨、風がしのげて、イスがあり、トイレも近い)程度のものが望ましい。

 

?市街地側の船着場からのバス乗りつぎの改善

定期船と路線バス等との乗りつぎについての不満度は、アンケートにおける9つの評価項目の中でも最大である(不満度32%、2番目は発着時刻についての不満26%)。船着場をもっと利便性の良い場所へ移すということは、現時点では不可能と考えられるため、バス会社などと協議して乗りつぎの利便性を向上する必要がある(船の到着時刻とバスの到着時刻を合わす、など)。

 

以上、4項目の方策の導入効果(利用者増加)は、個々の方策ごとには推定しにくいが、アンケートにおいては、利便性やサービス水準が向上すれば、現在定期船を利用している人の30%が、「定期船の利用回数はもっと増える」と回答しており、定期船を利用していない人の13%は「定期船を利用する」と回答していることから、上記の方策の導入により、少なくとも1割程度の利用者増は見込めると思われる。特に、サービスの力点を高齢者に向けて、親切な応待とバリア・フリー化を進めるべきである。

 

 

 

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