4-2 地理情報システム利用における留意事項
?従来の汎用機端末利用から拡大して、容易に、また広範囲の部門で「住民基本台帳」照会できるようになることは、個人のプライバシー保護の観点からも好ましいこととは言えず、従来と同様に「利用目途」「利用の方法」「利用データの範囲」等を限定して運用すべきである。
●また、基本4項目(住所、氏名、生年月日、性別)以外の項目について業務上必要なのは特定の担当部門に限られており、基本的に通常の利用対象の範囲から外して運用すべきである。(運用上は別ファイルとして他部門に対しては閉鎖すべきである。)
?特に、業務データをあわせて運用する場合には、秘匿性は一段と高くなる場合が多く、そのシステム利用にあたっては厳重な、そして万全なデータ保護管理システムとする必要がある。
福祉関連の業務データは各担当、関係機関のデータを共有する効果は大きいが、担当部門以外がデータを参照できること自体問題となるケースも生じる。
住民基本台帳データを「地理情報システム」で運用することに伴う障害は、特になく、むしろ、利用しやすい環境になったときに、従来の利用にあたっての注意事項や制限事項を守れるか否かが問われると考えられる。
●年度当初に「市民課」とデータ協議を行ない、“利用する業務と目的”“利用データの範囲”“端末システム内でのファイルの管理方法”“出力図等の管理方法”等をあらかじめ設定する。
●運用上は数種類のファイルを作成し、各端末からアクセスできるファイルを規定し、かつそのファイルにアクセスできる職員を限定する。
といった従来の管理方法は当然、必要であると考える。
4-3 留意事項
住民基本台帳データを地理情報システムにおいて利用する場合には、以下のような点に留意する必要がある。
?現状においては、病人や学生等のように住所と実際の居住地が異なっていたり、市民が転入転出届を出さないで転居する場合がある。
?住民基本台帳には外国人が含まれていない。また、外人登録に関する事項(住所・氏名・生年月日を含む)は非公開であり、庁内運用であろうと閲覧に供することはできない。したがって、システムで運用することも出来ない。
?住民基本台帳を地図データとリンクする際に、住居表示と地番が必要である。
住居表示自体の管理が十分になされていること、地番等の更新が適切になされていることが前提となるが、区画整理事業中の地域等で地番等が混乱しているケースも散見され、それらに対する対策を講じることが必要である。