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(b)住民基本台帳データと空間データとの連携

地方公共団体における統合型GISの活用に際し、既存の他の行政情報システムとの連携を図る観点から、住民基本台帳データとGISデータとのリンクによる活用がある。

地方公共団体の多くの部署において、行政サービスの提供を始めとし、住民個人を対象とした業務が行われている。そして、住民基本台帳法に基づき、個々の業務において住民個人の基本的な情報を必要とする際、住民基本台帳を利用できることとなっている。

この現状を踏まえ、正確な個人情報を記録している住民基本台帳システムと、統合型GISとの連携を図り、適正な情報管理の下に住民基本台帳データの庁内利用を図ることは、行政情報化の流れの中で、今後極めて重要な意義を帯びてくるものと考えられる。

現行制度において、住民基本台帳の住所・氏名・性別などのデータは、一定の担保を確保した上でなら、庁内利用が可能である。地方公共団体において、個人情報保護の観点から限定されたもの(住所・氏名・性別など)を、利用承認手続き・利用の際の安全保護措置など必要な情報管理措置を規則・要綱等により定めた上で、必要な部署において、GISデータとの連携利用を図ることが望まれる。

 

?住民基本台帳データを庁内利用する際の留意点

住民基本台帳には、その根拠法である住民基本台帳法により、氏名、生年月日、男女の別、世帯主の氏名、続柄、本籍、住所等の基本的事項に加え、選挙人名簿への登録の有無、国民健康保険や国民年金の資格、児童手当の受給の有無といった非常に多くのデータ項目が含まれている。これらの情報は、個人情報として保護されるべきであり、住民基本台帳法上もその趣旨を踏まえた規定が盛り込まれている。さらに、昭和60年の法改正において、「記録の適正な管理」が明記され、個人情報の保護への配慮が促されてきた。

今後個人情報の庁内利用を、より具体的に展開していくためには、まず、利用目的や必要とされる業務を明確化し、利用するデータ項目の検討を行い、利用権限を設定することが重要である。

 

?統合型GISとの連携への工夫・対応

以上の点に留意し、統合型GISとの連携について、個人情報保護を反映したリンクに際しての工夫を提案し、制度面で必要な対応を述べていく。

住民基本台帳は、個人に係わる多くのデータを含んでおり、その全てが他の部署において必要となるわけではない。したがって、統合型GISとの連携を図る場合、必ずしも住民基本台帳システムとの直接的なリンクが要求されるわけではない。統

 

 

 

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