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(4)整備推進面

統合型GISを初期構築したり、各部署における既存のGISを統合化していく過程は、大きくシステム面とデータ面での手順にわけて整理することができる。また、それらのシステムやデータの整備は、組織的な推進体制を配備して、全庁的な視点から計画・実施いく必要がある。

既に、第3章(1)において、共用データを中心とした空間データの初期整備フローや、その後の更新等の品質管理に関して、データの管理主体等の組織体制からデータの更新フローに到るまで述べてきた。また、第3章(2)において、システムインフラの整備過程に関しても触れてきた。したがって、ここでは、地方公共団体の規模に着目し、統合型GIS整備における二つの組織的なアプローチ法を紹介し、併せて、GISをこれから導入する地方公共団体を主な対象に、包括的なシステム/データ整備のフローについて記述していくこととする。

 

(a)トップダウンとボトムアップ方式

統合型GISの整備推進においては、地方公共団体の規模に応じてアプローチ方法が異なることが想定される。これは、規模により、GIS整備状況が異なることや、扱う空間データの量や必要とされるシステムの大きさに相違がみられること等に起因している。ここでは、トップダウンとボトムアップという二つのアプローチ方法を取り上げる。この二つは、システムやデータの整備を推進する場合において、計画やスケジュールの立案等を行う実務的な側面での、組織的な取り組み形態に着目して対比したアプローチである。したがって、導入システム規模や予算等に関わる、重要専決事項に関する意思決定過程を意図した内容ではない。

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