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具体的には、「地理情報について、データ管理の方法、ツール及びサービス(定義と記述法を含む)、異なるユーザーやシステムあるいは場所間での数値的/電子的形態でのデータ取得・加工・解析・アクセス・表現・変換を規定」するべく活動している。さらに「情報技術とデータに関する適当な標準と可能な限りリンクし、地理的データを利用する分野特有のアプリケーション開発に枠組みを与える」ことも目的としており、地理的データの取扱いのみに留まらず、広い分野での応用技術の実現を目指している。

 

?インターフェースの共通化

ISO/TC211で検討されていることは多岐に渡るが、その中心にあるのは、システム間や異種データ間における相互運用性の確保である。この相互運用性の検討の中で、統合型GISに照らし合せて重要な意味をもつものに、「インターフェースの共通化によるデータ交換の実現」がある。

 

(I)共通インターフェースの必要性

庁内において、個別に構築されたシステムが存在し、各システムに全くフォーマットの異なるデータが蓄積されていた場合、システム間でのデータの交換には困難を伴う。この点に関しては、全国で展開されている地方公共団体における情報化においても、実際に多くの例が見受けられる。(図3-11参照)

通常、他の部署から受領したデータを、自部署の既存データと組み合わせて利活用するためには、双方のデータのフォーマットを合わせる必要がある。しかし、一般的に、地方公共団体で扱うデータは大量であることが多く、この作業は困難を伴うため、専門業者へ委託して実施する場合も多い。このことは、データ交換に、ネットワークを介した場合でも、オフラインで電子媒体を介した場合でも同様である。特に、統合型GISのように、空間データと各種台帳データ等との連携を図る場合、データフォーマットの統一化は、重要なファクターとなってくる。

しかし、インターフェースの共通化を図ることで、異なるフォーマットのデータ間でも、組合せや重ね合せを実現し、各システム間での相互運用性を高めることが可能となる。これにより、データ作成形式にこだわらず、自由なデータ交換が可能となり、統合型GISと他の既存システムとの連携が容易になる。また、インターフェースの共通化は、個別に整備されたGIS間の連携を図り、統合型GISとして再構築していく場合にも、有効な手段となる。

 

 

 

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