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第3章 統合型GISのビジョン

 

(1)データ面

データ関連での統合型GISのあり方は、データの内容、データ整備の方法、データの品質管理と保存、データの流通という側面に分けて描き出すことができる。ここでは、データの流通以外の側面について取り扱い、データの流通については、第3章(3)(a)の情報流通のところで記述していくこととする。

実際に、地方公共団体で空間データを検討していく際には、データ内容の確定から整備・保存・流通・品質管理・内容の再評価という一連のライフサイクルに沿って、その各段階と全体のフローのあり方を評価していくこととなる。

 

(a)データの内容

空間データの利用主体の範囲により、複数の部署が利用する共用データと個別部署のみが利用する個別利用データとに分けて説明していくこととする。

 

?共用データ

ここで言う共用データとは、庁内の複数部署において、自由に多目的利用を行うことが可能であり、かつ品質の保証されている空間データを指す。したがって、特定の二つの部署間でのみ相互利用される空間データ等は含まれていない。

ある程度、共用ニーズの高いデータが存在するが、各地方公共団体においてニーズのとらえ方の違いもある。統合型GISでは、あくまでも各団体においてニーズの高い空間データの共用化を、個人情報保護を原則にしつつ可能な限り実現していくことが必要である。

庁内で共用可能でニーズの高い図形データとしては、具体的には道路・地番・家屋・主要構造物や地物・行政界等に関連するデータが挙げられる。さらに、属性データとして土地・家屋・都市計画決定データがあり、そのうち土地データに関しては所有者・地目・地積、家屋データでは所有者・用途・構造・階層・面積、都市計画決定データではほぼ全てのデータが、庁内での共用ニーズが高いと考えられる。

実際に、各地方公共団体において共用データの項目を選定していく場合、フィーチャーレベルで検討していくことが望まれる。フィーチャーとは、現実社会の実体をオブジェクトによりデジタル化して表現したものであり、点・線・領域等の幾何データタイプがある。例えば、道路・家屋・道路・河川・特定の地形が、これに当たる。

 

 

 

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