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件の図形データを表示し位置確認を行い、次にその図形にポインターを合わせ、クリックするだけで、図形に属性データとして付属している当該物件の固有情報を、瞬時にして得られる手法へと変化していく。

また、GISは他の情報システムとの連携を図ることが可能なシステムであることから、既に稼動している情報システムのデータを、GISの図形データに属性データとして付加し、空間データとして活用することもできる。地方公共団体の業務には、固定資産税・都市計画・道路管理・上下水道管理業務等、業務で必要なデータを地理的な位置に対応付けて利用していく形態に馴染む分野が多い。これらの部署においては、文字・数値・画像等の様々な形式で既存の情報システムに保存されているデータを、GISの図形データに関連付けて、効率的に利用することができる。このような他の情報システムとの連携により、例えば、土地家屋等の図形データをクリックするだけで、それに関連したデータを一括して収集することが可能となる。

ここで重視すべき点は、GISで活用していく空間データには、公共測量による地図データだけではなく、その他のデータも含まれること(第3章(1)(b)参照)、また、GISでは、図形データは情報検索の手段として利用されていくケースが多いということである。したがって、庁内で活用していく場合、必ずしも精度の高い位置データを必要とするとは限らず、公共測量の成果でない地理情報であっても利用可能なものがある。地方公共団体は、業務に必要な地理情報の品質をケースバイケースで判断し、適応する空間データを効率的に整備し、効果的に利用していくことが求められている。

 

● 空間データには、公共測量の成果物に含まれないものがある。

 

● 公共測量でない測量によって作成された空間データであっても、利用可能なものがある。

 

このように、地方公共団体では、GISの導入によって、空間データという、地理的な位置に対応付けられたデータを容易に活用することができるようになり、行政事務の直接的な効率化及び住民に対するサービスの向上を図ることができる。

 

(3)統合型GISとその効果

CISの特徴として、その中で処理するデータに関し、その量が非常に多く、長い間継続して利用され、かつ国土空間上のある位置に関連していることが挙げられる。

 

 

 

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