日本財団 図書館


して、ハードウエア関連では、全域的なネットワーク・庁内ネットワーク、情報通信拠点の整備、そしてソフトウエア関連では、情報通信メディアの普及促進が挙げられる。

住民生活の快適化に関しては、住民に対する直接的な行政サービスの向上を図る情報化の推進が中心となり、展開内容の対象分野は、福祉・医療・教育・環境・防災等多岐に渡る。

地域産業振興のためには、特に地方公共団体における地域特性を考慮し、独自性のある情報化施策の展開が期待され、その結果として個性のある産業基盤を育成していくことが主眼となる。今後は、生産・調達・運用統合システムであるCALS等に代表される、民間団体とのネットワークを介してデータ交換可能なシステムの構築が望まれている。

総合的な行政情報システムの整備において、いくつかの施策の展開項目に関し空間データの利用が特に想定されるが、これらについてはGISをベースとしたシステム構築により、機能面での有効性を高めることが期待される。

 

(2)地方公共団体における情報システムとGIS

既に地方公共団体では、住民記録・国民健康保険・各種租税関連等、多くの部署において情報システムの利用が進められている。GISも、行政情報システムの一つであるが、業務特有の基幹システムとは異なり複数部署において利用可能であり、他の情報システムと連携を図り、部署横断的に活用できるポテンシャルを多分にもつ点に特徴がある。

地方公共団体においては、多くの部署において紙地図を利用した業務が行われている。GISとは、この紙地図を含め、地方行政において必要となるデータを、デジタル化された空間データとして、地理的な広がりを持つ図形データとそこに付随させる説明的なデータという形態で、包括的に画面表示する情報システムである。

まず、GISを導入することで、デジタル化された空間データの利用が可能になり、業務の効率化、さらには紙地図ベースでは困難であった事務・作業が、容易に行えることとなる。

例えば、庁内で複数の紙地図を集め、それを敷きつめて、各地図データを対照しながら検討していく手法から解放され、一つのGIS画面上に、必要となる複数の空間データを重ね合せて表示し、一瞬にして判断を下すという手法が実現されることとなる。

あるいは、紙地図上で土地・建物等の位置確認をする一方、その物件に固有の情報は、紙ベースの資料を集めたり、別の所に設置された既存情報システムの画面上に表示したりして、収集していくという手法から、一つのGIS画面上に、当該物

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION