おわりに
平成8年7月に取りまとめられた海運造船合理化審議会の意見書の中で造船・舶用工業の高度情報化の必要性が指摘され、その円滑な実施を促進すべく産学官の意見調整の場として同年8月に「造船・舶用工業高度情報化推進委員会」が発足した。
本事業では、上記推進委員会と密接な連係を図りつつ、中長期的な造船・舶用工業の高度情報化に関するグランドデザイン(基本構想)とロードマップ(実現へ向けての作業計画)について取りまとめを行った。
これは、近い将来に予測される厳しい競争環境の中で、造船・舶用工業が今後とも魅力ある産業として存立していくために、将来のあるべき姿を見据えた上で、情報化に関する課題を作業計画にまでブレークダウンしたものであり、将来各セクター毎に個別に進められてきた情報化活動に一定の方向性を与え、その取り組みをさらに促進し得るものと期待される。
なお、情報化技術は、日進月歩で急速に進歩しつつあり、造船・舶用工業の先行きも、一定の不透明感を拭えない現在、10年から15年先までを睨んだ中長期計画は、環境変化に応じて当然レビューすべきものであり、情報化の効率的推進には、確実なフォローアップが最も重要であると考えられる。