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4) 保守・修繕に関する新規サービスに資する情報化ツールと課題

保守・修繕に関する新規サービスに資する情報化ツールとしては、機関の稼働率や故障情報のオンライン・モニタリングや故障時対応等を船上及び船・陸協調によって支援する陸上支援、部品補給のための船社と舶用工業間等での情報交換があげられる。これらを推進する際の課題は、(1)、5)ライフサイクル・サポート・チェインの確立でも述べたように、効率的な保守ネットワークの形成や保守サービスのあり方についての海運・造船・舶用工業が相互に協力した検討の推進である。

補修部品等のEDIを実現するためには、船舶構成情報の表現方法や部品情報の表現方法の標準化、保守ネットワークの運用管理主体の設定等の情報システムの開発・運用に関わる課題以前に、船舶情報、運航情報のセキュリティ確保や高度情報システムの共有あるいは共同利用に対する合意形成、保守のアウトソーシング・サービス等に対する関連業界の意識改革等が課題である。また、補修部品のサプライへのEDIへの導入は、舶用機器メーカーによる既存の代理店ネットワークから離れてユーザーとの直接取引を必要とする可能性があり、業務体制への見直しが将来的な課題となるものと思われる。

 

5) 間接業務の合理化・効率化等に資する情報化ツールと課題

イントラネット等の低コストで情報を共有できる技術が普及している。間接業務の合理化・効率化等の企業内での情報ネットワークの構築は、技術的問題というより、ネットワークの運用経験の蓄積や社内関連部門の意識改革、人員の再配置等が課題であり、個別の企業の問題という側面が強く、改めてここで論ずる必要性は少ないと思われる。

 

 

 

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