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(4) 情報化機能の実現目標とそれにより実現される効果

先に述べた情報化機能のそれぞれについて、造船・舶用工業における各社、あるいは造船・舶用関連産業全体として進めていくべき実現目標を例示し、それぞれに対する効果について考察する。図表II.6.5-2は、情報化機能を詳細化し、それにより実現される効果の評価を試みたものである。以下、各機能の内容と効果について述べる。

 

1) 組織間の情報交換

?取引に関するデータ交換

a) 資機材受発注EDI

(内容)受発注における帳票のやり取りを電子データ交換によって行う。

(効果)造船業においては調達業務のスピードアップと調達先の拡大による資機材費圧縮の可能性がある。舶用工業においても調達に関しては同様であるが、供給側としては受注作業の工数削減が見込まれる。

 

?技術情報に関するデータ交換

b) 設計/技術情報交換

(内容)艤装設計を主に、造船所と舶用メーカー間で仕様や取合いに関してやり取りする技術情報についてデータ交換を行う。

(効果)造船業・舶用工業共に仕様決定、取合い調整等における工数の削減が期待できる。

c) 舶用機器仕様情報のネットワーク/検索サービス

(内容)インターネット上に電子カタログを置き、仕様情報や見積り情報の提供を行う。

(効果)造船業にとっては、基本設計における効率向上が見込まれ、舶用工業においては、供給先の拡大が期待される。

 

?承認/認可に関するデータ交換

d) 設計図面、構造計算書の提出/レビュー/承認

(内容)設計承認における造船所、舶用工業と船級協会との図面や計算書のやり取り(承認、リマーク等)の電子化

(効果)造船所、舶用メーカー、船級協会ともに図面管理及び通信にかかるコスト、また、業務のスピードにおいて大幅なメリットが見込まれる。

e) 完成品監査手続の情報共有

(内容)引渡、納入の段階において船級協会や船主が造船所・舶用メーカーに対して行う監査手続きについて、データ交換による合理化やバーチャル化を行う。

(効果)造船所、舶用メーカー、船級協会、船主共に監査にかかる工数減が見込まれる。

 

 

 

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