1) 組織間の情報交換
生産プロセスに関与する造船・舶用・船社・船級などの関係者間でやり取りする情報を電子データとして交換することにより、組織間業務の効率化を図るものである。将来的には、現在FAXや郵送等で受け渡しされている情報全ての情報交換を行うことが理想であるが、現状で電子データによる情報交換により効率が大幅に上がり得る、と考えられている機能は次の3点である。
・取引に関するデータ交換(資機材EDI等)
・技術情報に関するデータ交換(TDI、舶用機器仕様情報のネットワーク検索サービスなど)
・CALS関連技術を用いた承認/許可に関するデータ交換と電子承認
2) 設計・生産プロセスの合理化・最適化
設計・製造情報を中心に、知識・ノウハウの共有を行い、設計・製造工程を合わせた生産効率の向上を図ることを目的とした機能である。さらに分けると、設備投資効果や生産効率を高めるための企業連携といった協業形態の創出、生産システムの高度化、ノウハウ蓄積の土台となる知識ベースといった機能が考えられる。
・プロダクトモデル等を用いた設計・生産協調(EC,PC,VE)
・生産システムの高度情報化
(例:製造プロセスの事前最適化のための生産シミュレーション、単品・少量生産を可能にする自立分散システム等)
・IETM、プロダクトモデル、知識ベースなどを用いたノウハウの共有
3) その他の業務改革
上記1)、2)以外の間接業務のアウトソーシングや保守サービス等の新規事業の創出に必要な機能であり、現在あるいは近い将来必要となるであろう機能として、次が考えられる。
・合理的経営を支援する市況,営業,工事進捗,原価等の情報共有
・間接業務の合理化・効率化(業務分析等を含む)
・保守/修繕に関する新規サービス(オンラインモニタリング、オンボード保守)