?現状の自動車メーカーにおける情報システムの方向性
・組織横断型の情報システムへの展開
従来からの個別最適システムが行き詰まり、組織を横断した技術情報システムへ。
・開発期間(リードタイム)の短縮が情報化進展の重要な目的
・情報化は流通・生産、販売領域で先行さらに研究開発領域とのより密接な連携を目指した情報システムへと展開。
・情報システムの関連会社の設立(技術情報リソースを核としての新たな事業展開)。
?アウトソーシングにおける情報の重要性増加
主要自動車メーカーでの受発注のやり取りは、異なる自動車メーカーがある同じサブコントラクタやサプライヤに発注する際の、自動車メーカー側フォーマットによって発注仕様が決まる。従って、こと細かく発注内容・情報を自動車メーカーが出す企業もあれば、ほとんどサプライヤ等に丸投げの自動車メーカーもある。この違いが自動車メーカー間の力関係を決定する。
3) 自動車産業における情報化の加速要因
?海外の自動車産業における情報化の加速要因は、基本的に技術・コスト競争力強化にある。
?研究開発コスト、期間の短縮(ドイツで10%改善の報告がある)
?特に開発期間の短縮は収益向上に効果が大きい
開発機関が伸びる理由としては、以下の点が指摘されている。
・外部情報源の活用が十分でない。
・研究活動が閉鎖的である(研究活動の交流が少ない)。
・研究開発の時間管理が十分なされていない。
・開発段階の研究員に対する負担が大きい。
?内外製戦略の観点からの情報化の促進
ある程度のピラミッド構造を有する自動車産業では、重要な技術でも外製化している例がある。技術の外製化はコスト削減の観点から効果があるが、一方でキーテクノロジーで自社技術力が低下するという課題がある。自社内での情報化・情報共有化がきちんと行われている場合には、外注先への発注仕様も明確となる。
情報システムは、どの製品を外製化してどの製品を内製化するかといった、技術情報の収集・分析・評価の観点からその重要性が高まっている。