?力関係の変化
自動車メーカーを頂点した産業構造を有している自動車産業であるが、近年、サブコントラクタやサプライヤとの関係で次の点が重大な課題となっている。
・内外製戦略が自動車メーカーの競争力に大きな影響を与えている。
・従来のサブコントラクタ、サプライヤが特定のキーテクノロジーで高い技術力を有し ており、自動車メーカー側の技術の空洞化が進んでいる。
・優れた技術、価格競争力を有しているサブコントラクタ、サプライヤの確保が重要と なる。
?国際提携が進む一方で、競争力強化、差別化戦略が重要
車種毎のOEM等の国際提携が進む一方で、高級車などに特化する等、各社の強みを活かした差別化戦略が重要となっている。
?事業の流れの特性
基礎研究〜研究開発〜設計〜生産〜評価・テスト〜販売・サポート〜リサイクルの事業の流れは、主要メーカーでは一貫体制がとられている(特にドイツ)。そして、自動車の開発・生産は、車体と機能部品の複合的な開発・生産プロセス、モデルチェンジを繰り返す反復的な開発・生産プロセスの中で実施される。従って自動車産業は産業構造、事業体制から造船業に近い形態を有している。
2) 自動車産業における情報化の動向
?内外の自動車メーカーの情報システムは次の発展過程を経て展開した。
・個別業務の改善ツールとしてCAD/CAM、FMS、FA化が導入された (1970年代)
・CAD/CAMが車両開発工程全体の改善に連動した時期(MAP、CIM化) (1970年代後半〜1980年代)
・情報システムが業務変革を通じて新たな核となる (1990年代)
* プロダクト・モデル (技術情報のデジタル化-CAD/CAM、EOA*6)
* シミュレーションの 進展(ラピッド・プロトタイピング、R&Dシミュレータ)
* コンカレント・エンジニアリング等
*6 EOA:Engineering Office Automation、部品表の統合