しかしながら、個別企業間での取り組みには限界があることから、業界標準へのニーズが顕在化し、通産省の補正予算を受けた「建設CADデータ交換コンソーシアム」が平成8年6月に発足し、下記の活動に取り組んでいる。
・用途毎のCADデータ交換標準の整備
・機器リスト、仕上表といった表リスト形式の設計データ交換標準の整備
・STEP等の国際標準の国内適応性の検討
3) その他
建設産業の情報化の動向は、当面は、各企業内部の整備が中心になると思われる。EDIについては、民間では見積業務を中心とするCI-NET、公共では建設CALSの動きが中心になるものと思われる。技術データ交換については、当面は建設CADデータ交換コンソーシアムの活動が中心になるものと思われる。また、データ交換標準が整備されてくると、今度は、ネットワークを用いた協調設計支援環境に対するニーズ、特に工事物件毎に施工条件が大きく異なるため、工事物件毎のニーズが顕在化するものと予想される。
建設業界は、造船業界とは、企業数の多さ、大手企業の寡占度の低さ等の面で業界構造が異なるものの、基本的に単品生産であることと、異なる多数の事業者が同時並行的にパーツを組み立てていく生産の仕組みが類似することから、生産に関わる技術データの取り扱いに対する取り組みは参考になると思われる。