日本財団 図書館


2) 情報化の取り組み概要

?企業内部の情報化の取り組み

本件に関する取り組みは、上記の通りである。このうち、コスト削減に対する方策としては一定の効果を認識する声が多いものの、営業支援のツールとしては、現段階では必ずしも前向きな評価ばかりではないのが実状である。

?EDI

【民間における取り組み】

建設産業において連携指針の大臣告示を受けた(財)建設業振興基金の推進するCI-NET(Construction Industry Netowork)が業界EDI標準として存在する。CI-NETは、国内のEDI標準である「CIIシンタックスルール」に準拠し、民間における取引を対象に以下の6種類の業務単位、15種類の情報種類についてメッセージを定義している。

・見積(見積依頼情報、見積回答情報)

・注文(確定注文情報、注文請け情報)

・納入(出荷情報、入荷情報)

・出来高(出来高報告情報、出来高確認情報)

・支払(請求情報、請求確認情報、支払通知情報、総括請求情報)

・技術データ交換(技術データ情報、CADデータ情報、メッセージデータ情報)

現在、CI-NETの導入に向けた試行が続けられおり、近年、合理化効果を認識しやすい設備機器、購買等の見積業務領域を中心に段階的に実用化しつつある。

【公共機関における取り組み】

国内最大の発注機関である建設省は、平成7年度に「公共事業支援統合情報システム(建設CALS)研究会」を発足し、一般競争入札導入に対する業務の効率化、公共工事のコストの削減に向け、入札の情報化を目指した基本構想を公表している。本構想はまだ研究段階にあるが、今後、検討が進められていくものと思われる。

?企業間の技術データ交換

建設生産には、実に多くの関係者が関与し、設計から管理に至る極めて長期にわたるライフサイクルの中で図面を中心とする大量の技術情報が交換されている。近年、CADシステム利用の普及により、設計製造情報が電子データとして生成・処理される局面が急速に増えてきたのを受け、生成された電子データを有効活用しようという試みも盛んになってきた。しかしながら、CADデータの多くは2次元であり、他に有効な手段もないため、異なるCADシステム間ではDXFが利用されているが、十分な再現性を確保するには至っていないのが実情である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION