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このように多くの企業が参加し、情報交換の密度を高めることで知識の共有を図ったり、知識のスパイラルな向上を促進する情報活用の仕組みを情報プラットフォーム(情報基盤)と呼ぶ。情報プラットフォームは、多くの企業が参加し、使えば使うほど知識の集積・シナジー効果が高まる。このような高度な情報化は、従来の情報化と異なるインパクトを業界や経営に与える可能性がある。

従来の企業内情報化は、企業内の情報や知識の連鎖を図ることにより業務効率化を促進した。企業間連携など高度な業界情報化は、業界全体の知識の底上げを図るとともに、共同受注などの協業を促進する効果がある。さらに、従来の協業の仕方を流動化させる可能性もある。すなわち情報基盤の上に各社の得意分野の知識をプログラムの形で乗せることにより、各社の得意・不得意分野がより一層明確になったり、水平分業を促進することも可能になる。

自社の得意分野へ経営資源を集中する、または各社の得意分野ごとの結びつきを深め水平分業や共同化を図ることは高度な経営判断である。高度情報化は、これらの高度な経営判断を行うためのなくてはならないツールとなり、業界全体の知識集約を加速する力を秘めていると考えられる。

 

 

 

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