(2) ロンジスペースに対する検討
升目構造の左右のロンジ間にロボットアームを差し入れて行く場合のロボットとロンジとの干渉を検討したのが図4.8であり、2種類のロボットに関してロボットと左右ロンジとの干渉を検討したものである。T型ロンジを例にとり、ロンジ高さは800ミリと500ミリ、ロンジフェイス幅は200ミリとしている。小型ロボットの場合には升目内にロボットが完全に入り込む形となり、ロボットベースとロンジとの干渉が問題となる。この部分にはロボットアクセス用の外部軸がなんらかの形で取り付けられるため、アクセス用外部軸とロンジとの干渉を配慮はなければならなくなる(干渉回避の自由度が少ない)。一方、汎用型ロボットの場合には、ロボットベースはロンジ高さより高い位置に確保でき、第3関節の部分(ロボットアームの肘の部分)が干渉の着目点となるので、ロボット姿勢を検討することにより干渉の回避の可能性が高くなる(自由度大)。
以上の検討の結果、汎用型の溶接ロボットを選択することとした。
4.3 狭隘部における溶接ロボットアクセス機構の検討と設計
図4.7に示したようにオーバーハングしているトランスに対してロボットをアクセスさせるためのメカニカルな補助機構の検討が必要となる。これらはいずれもロボットと協調動作できることが望ましい。
第1案は、図4.9に示すように、上部からのアクセス軸(Z軸)がトランス傾斜に平行になるように、振り子回転させるものである。この場合、トランス上部から斜めにロボットをアクセスすることができるので、ロボットのアクセス動作がシンプルとなり、干渉の発生も少なくなる。この場合、ロボット協調外部軸としてはZ軸旋回用のR軸と上下動作のためのZ軸の2軸である。考えられる課題は、振り子軸の回転角度の微少なずれが、ロ