ボット先端部分では大きな変位として現れるため、位置決精度の確保が困難となる点と、現状の市販ロボットコントローラでは、ロボットベースの位置は据え置き、横置き、天吊の3姿勢に限定され、振り子回転により生じる任意のロボットベース位置でのロボット位置制御は不可能であるという2つの理由から実現できないことが判明した。
第2案は、図4.10に示すように、ロボットベースが常に天吊姿勢をキープできるように平行リンク形式の回転補助軸を設けたものである。メカ的にもシンプルであり、望ましい形態である。この場合、ロボット協調外部軸としては回転用のR軸と、上下動作のためのZ軸の2軸を協調動作させることで、溶接トーチを直線的に水平動作させることが可能となる。しかし、現状のロボットコントローラでは回転動作する外部軸の協調制御ができないという理由から実現できないことが判明した。
第3案は、図4.11に示すように、回転軸を直線動作軸に変更したものである。この場合、ロボット協調外部軸は、水平動作用のR軸と上下動作用のZ軸の2軸である。長さのあるR軸をもつことより、ロボットアクセス時のロボットとブロックとの干渉が課題となる。図では、R軸の取付部分に回転軸Q軸を設け、トランスヘのアクセス脚こはR軸とZ軸が平行になるようにしたものであり、アクセス中にL軸を徐々に回転させることにより、トランスヘのアクセス時の干渉の問題が少し緩和される。